免疫細胞 の 役割分担 

 免疫細胞 は 骨髄で生まれる


私たちの体は、60兆個の細胞で構成されています。 そのうち、免疫細胞は、1兆個

この免疫細胞は、骨髄でつくられます

骨髄で 「造血幹細胞」 がつくられ
「造血幹細胞」 は、「リンパ系幹細胞」 と 「マルチ幹細胞」 に分かれます。

⇒ 「リンパ系幹細胞」 は、T細胞、B細胞 となり、
⇒ 「マルチ幹細胞」 は、マクロファージ、好酸球、好塩基球、好中球、血小板、赤血球 に分化していきます。


免疫細胞


 獲得免疫 と アレルギー性疾患


リンパ系幹細胞」 のうち、

胸腺という心臓の上部にある小さな臓器 に入ったものが
T細胞 となる訓練を受けます。

胸腺 での訓練は厳しく、90%以上が脱落。

訓練で合格したものがT細胞となります。

(司令官役のヘルパーT細胞、そしてキラーT細胞、サブプレッサーT細胞に さらに分化。)

胸腺に入らなかったものは、B細胞 となり、免疫システムの実行部隊をにないます。

  *胸腺は、心臓を覆うような形の木の葉状の臓器。
   10代で、握りこぶし大になり、加齢とともに縮小。
   また、過重なストレスがかかり続けると、胸腺は縮小します。 (⇒「ストレスとアトピー」)

  *胸腺で訓練を受けないNKT細胞、という免疫細胞もあり、注目されています。
   T細胞とNK細胞の両方の働きを合わせて行い、ガン細胞との戦いで活躍します。

「リンパ系幹細胞」 から分化したT細胞、B細胞 などが担う働きを 
獲得免疫」 といい、
「自然免疫」 では防ぎきれない、ウイルス、バクテリア、ガン細胞などから体を守る重要な役割を果たします。

そして、ここからがアトピー・喘息・花粉症と関係していくのですが

「獲得免疫」 には、T細胞から分化した
Th1、Th2 という 2つの戦いの場があります。

そして、「獲得免疫」 が、Th2 に傾いた体質になると
アレルギー性疾患になりやすくなります。

これは、先天的な体質ではなく、
食べ物や有害物質の摂取が原因となる 後天的体質です。 


 自然免疫を担う 顆粒球


一方、「マルチ幹細胞」 は、
マクロファージ、好酸球、好塩基球、好中球、血小板、赤血球 に分化し、
自然免疫 の働きを担います。

自然免疫 とは、切り傷などでばい菌が入ってきたときに
すぐに駆けつけ、体を守るしくみです。

好酸球、好塩基球、好中球など顆粒球は、体内をパトロールし、敵の侵入があるとすぐさま応戦。
相手を食べつくしていきます。

この際、活性酸素という 細胞を破壊する物質が発生し、炎症などを起こします。

 *マクロファージ も、自然免疫 の働きを担いますが
  同時に、もう一つの免疫システムである「獲得免疫」の情報提供者としての働きも担います。


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