ビタミンB2
ビタミンB2は、脂質、タンパク質、糖質を分解して、エネルギーに変える働きをします。
また、体の細胞の新陳代謝を促進して、健康な皮膚、髪 などをつくります。
過酸化脂質を分解する
ビタミンB2 は、
グルタチオン・ベルオキシターゼ という酵素と一緒に、過酸化脂質を分解します。
過酸化脂質とは、脂肪酸(脂肪)が体内で「活性酸素」の刺激によってつくられ
細胞に浸透して、皮膚や血管、臓器に害を与えます。
皮膚に過酸化脂質がたまると、角質層が破壊されて、肌の保湿性が失われてカサカサになり、
ダニ、黄色ブドウ球菌などの侵入を止められれなくなり
アトピー性皮膚炎を悪化させます。
肺の粘膜に過酸化脂質がたまれば、気管支ぜん息に
鼻の粘膜にたまれば、鼻炎・花粉症の原因となります。
過酸化脂質は、アレルギー性疾患の原因の一つなのです。
この過酸化脂質を分解して無害化するビタミンB2は、
アトピー、ぜん息、アレルギー性鼻炎、花粉症などの体質改善のために非常に重要です。
*ビタミンE も、過酸化脂質を分解する働きをしますので、一緒に取るとさらに効果的です。
ビタミンB6、ナイアシン の働きに不可欠
ビタミンB2は、ビタミン B6 が活性化するときに不可欠です。
また、ナイアシン が合成されるには、ビタミン B6 が必要です。
つまり、ビタミンB2 が不足すると ⇒ 「ビタミン B6、ナイアシンが不足する」、
という関係になります。
ビタミン B6、ナイアシンは、
アトピー・ぜんそくなどを抑える体内ホルモン(プロスタグランジンE3 )などを
つくるときに不可欠なビタミンですから、
ビタミンB2 の不足(⇒ビタミンB 6、ナイアシンの不足) は
この面でも、アレルギー性疾患の原因となるのです。
不足すると、口、目、鼻、唇、舌 などの粘膜に炎症を起こす
ビタミンB2 が不足すると、口内炎、口角炎、舌炎、口唇炎などが起り
目の充血・ゴロゴロ感、肌荒れ、髪の毛の痛み、脂漏性皮膚炎 などの原因となります。
また、成長期の子供がビタミンB2不足になると、成長が阻害されます。
ステロイド剤、抗生物質などで ビタミンB2 は不足する
副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)、精神安定剤、経口避妊薬、抗生物質 は、
ビタミンB2 の働きを阻害します。
これらの薬剤の長期使用がビタミンB2 欠乏を起こしやすくします。
また、アルコールをたくさん飲む人、妊娠中の人、激しい運動をする人 などは、
ビタミンB2 の消費が多くなりますので、多めに取るよう気をつけましょう。
ダイエットにも有効
ビタミンB2は、糖質の代謝を促進しますから
糖尿病の改善や予防、ダイエットにも有効です。
うなぎ、納豆に多く含まれます
ビタミンB2 を多く含む食品は、
うなぎ (とくにヤツメウナギ)、納豆、きのこ類、海藻類、野菜 などです。
納豆は、大豆にはビタミンB2はほとんどないのですが、納豆菌の働きでB2が増えています。
(納豆1パックで、1日の3分の1程度のビタミンB2が摂取できます。)
*牛乳・乳製品にもビタミンB2は多いのですが
牛乳はアレルギー性疾患の人が取らないほうがいい食品の筆頭の一つですので
あえてここでは入れていません。 (⇒「牛乳について」のページをご覧ください。)
《 ビタミンB2 》
分類 | 水溶性ビタミン |
---|---|
アトピーとの関係 | ・ 過酸化脂質 を分解して、アトピー・ぜんそく・花粉症・鼻炎などの症状を抑える。 ・ ビタミンB6、ナイアシンの産生を助けることで アトピー・喘息などの抑制の作用をする「プロスタグランジンE3」産生を間接的に助ける。 ★アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症・鼻炎などの改善効果 |
機能 | ・ 脂質・糖質・タンパク質の代謝 ・ 細胞の新陳代謝を促進して、健康な皮膚・髪などをつくっる ・ 子供の健全な成長促進 ・ 糖尿病の予防・改善、健康的なダイエット効果 ・ 貧血や目の疲れの緩和 ・カンジタ、水虫感染防止に有効 |
不足すると? | ★アトピー・ぜんそく・花粉症・鼻炎などアレルギー性疾患 ・肌荒れ ・口内炎 ・口角炎 ・脂漏性皮膚炎 ・口唇炎 ・心身症 ・抑うつ ・ヒステリー ・疲れやすくなる ・貧血 など |
不足要因 | ・ ステロイド剤、抗生物質、精神安定剤や経口避妊薬の長期服用 ・ アルコール ・妊娠中の人 ・激しい運動 など |
こんな人に オススメ | ・ アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症、鼻炎などの人 ・ 発育期の子供 ・肌荒れの人 ・口内炎の人 ・ 妊婦 ・スポーツマンなど体の負荷が高い人 |
多く含まれる 食材 | うなぎ、納豆、さば、きのこ類、野菜類、海藻類、レバー |
過剰症 | 特になし |
推奨量 | 成人男性 1.6mg、成人男性 1.2mg |
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