アレルギーになる7つのしくみ

アトピー・喘息・花粉症・鼻炎になってしまう

体の中の7つのしくみ って何?

ちょっと難しいですが、考えてみましょう!!

 Th2 の増大


免疫の司令塔の役割を担っているのは、ヘルパーT細胞
これには Th1、Th2 という異なった役割を持つ2種類があります。
 (Th0…幼少ヘルパーT細胞 から分化します。)

Th1 は、ウイルスやガン細胞のように発見しにくいものと戦う役割を持ち、
TH2 は、ダニ・カビ・花粉・バクテリアなど比較的大きい抗原に対抗します。

  • Th1 は、マクロファージからの情報を受けると、IFN一γなどのサイトカイン(情報伝達物質)を出し、キラーT細胞、NK細胞を活性化させます。
    キラーT細胞、NK細胞は、パーフォリンという物質を出してがん細胞、ウイルスを攻撃します。
  • Th2 は、IL-4、IL5 などのサイトカインを出し、B細胞の抗体産生を刺激します。
    免疫ってなに?」 で説明した、Ⅰ型アレルギーを起こす 「抗原抗体反応」 での攻撃です。

そして重要な点は、
TH2 が増えることがアトピーの要因となることです。

Th1 と Th2 は、Th0 から分化するわけですから、
どちらかが増えれば、どちらかが減るという関係にあります。

通常は、一定の割合が保たれていますが
何らかの環境変化があると、Th2 が増えてゆきます。

何らかの環境環境変化とは、
ストレス、 ホルモンバランスの乱れ、 ステロイド剤の使用、 
環境ホルモンの摂取(エストロゲン様作用)、 腸内の悪玉菌増加、などで、
もっとも大きな要因となるのが、腸の環境悪化 です。

 腸内環境の悪化


「腸内環境」 は、アトピー性皮膚炎・喘息・花粉症・鼻炎の最大の原因です。

腸内環境悪化によって、Th2 が過剰になり、アレルギー体質をつくります。

   2点あります。

① 「腸壁バリア」 の弱化

 肉・砂糖・牛乳を多く取りすぎることで、腸壁はキズつき、通常では入り込めない
「大きな分子」 の「未分解のタンパク質」 が腸壁から侵入することになります。

私たちの体は、腸壁で小さな分子だけを取り込み、体内で必要な形に再合成します。
つまり、「大きな分子」 のまま腸壁を通るのは異常であるので、
「異物」 として免疫システムが作動し、排除することになります。

「普通の食物のアレルゲン化」 は、こうして起こります。

「普通の食べ物」 に、免疫細胞が繰り返して出動する中で
腸の免疫バランスが Th2 に傾いて行きます。

腸の免疫システムは、体内システムの中心ですから
やがて、体中の免疫バランスがTh2に傾きます。

食物アレルギーだけでなく、
アトピーも、ぜんそくも、花粉症も、鼻炎も、
腸から始まるのです。



② 「腸内の細菌バランス」 の悪化

腸内細菌は、白血球と連携して免疫システムを支えています。

「腸内の細菌バランス」 が健全なら、
未分解のタンパク質が侵入しても、
「これは、ただの食べ物だ」 ときちんと判断して、免疫反応を起こしません。

腸内細菌バランスが崩れているから、食べ物に免疫反応を起こし、
Th2が増大する という免疫バランスのかたよりが生まれてしまうのです。

腸の細菌バランス と アレルギー性疾患 は、 密接な関係にあります。


 局所ホルモンのバランス悪化

私たちが口にしている 油 が アトピー・喘息・花粉症・鼻炎 の原因となります。

食べ物から取り入れた脂肪(油)は、体内で代謝され
局所ホルモン」(生理活性物質) がつくられます。

この局所ホルモンには、
アレルギー体質を 促進するもの、抑制するもの 
の2つがあり、
通常はバランスをとって、正常な免疫の状態を維持しています。

けれども、ある油(脂肪)を取るることで、このバランスが崩れます。

また、ビタミン、ミネラル、酵素の不足で
「脂肪(油)を代謝できない」体質 になると
局所ホルモンのバランスが崩れます

これがアトピー性皮膚炎・喘息などの原因です。

 (⇒どんな油(脂肪)が悪いのか、必要なビタミン・ミネラル・栄養素は何かなどは
   「油を変える」「代謝されない脂肪」「ビタミン・ミネラル①」 をご覧ください。)

副腎皮質ホルモンの不足


ご存じの通り、副腎皮質ホルモン (糖質コルチコイド) は、

  • 過剰な免疫を抑える
  • 炎症を抑える

というアレルギー性疾患と密接な働きをするホルモンです。
 (ステロイド剤 は、この働きを利用した薬品です。)

当然、副腎皮質ホルモン (糖質コルチコイド) の分泌が不十分になると
アトピー・喘息などのアレルギー性疾患の症状を抑える力が欠落します。

原因は、
ストレス過多による副腎の疲弊、
ホルモンの産生・分泌に必要なビタミン・ミネラルの不足、
が考えられます。

また、腸の環境悪化 が、非常に大きな要因。

腸内の善玉菌が減ってしまうことによって
副腎皮質ホルモン の産生が正常に行われなくなってしまうのです。

腸環境の改善は、アトピー・喘息・花粉症の体質改善を進める基本なのです。


 過酸化脂質


私たちの体の 細胞膜 は、油(脂肪酸)でできています。

活性酸素 という言葉はよく聞くと思いますので
ご存知かと思いますが、電子を他者から奪って、相手を酸化させる物質です。

活性酸素が 細胞膜に触れると、酸化ドミノ現象が起り
細胞膜はズタズタになります

角質層でそれが起れば、皮膚に炎症が起り、保水性が失われ、病原菌が入り込みやすくなり、

気管支粘膜で起これば、気管支ぜんそくとなり
鼻の粘膜で起これば、花粉症鼻炎となります。

大気の汚染、残留農薬をはじめ、活性酸素を体内に発生させる物質が増えている一方、
ビタミン・ミネラル、野菜に含まれるファイトケミカル(活性酸素除去成分)の摂取が激減し
過酸化脂質によるアトピー・ぜんそく・花粉症・鼻炎の大きな原因となっています。

食事のかたより ⇒ 過酸化脂質の増大 ⇒ アレルギー性疾患 
   という流れです。

自律神経のかたより

自律神経には、交感神経 と 副交感神経 があり、

自律神経のバランスが取られていることで
免疫 も ホルモン も バランスされます。

けれどもストレス、睡眠不足、不規則な生活、ストレスがなさすぎるだらけた生活などで
「自律神経」 がかたよってしまうと 免疫もかたよってしまいます。

交感神経・過多にかたよると、リンパ球が増大しすぎてしまい、
副交感神経・過多にかたよると、顆粒球 の増大しすぎてしまい、

それぞれアレルギー性疾患の体質となってしまいます。

自律神経のかたよりが、アトピー・喘息・花粉症・鼻炎の原因になります。

規則正しい、前向きで健康的な気持ちに支えられた生活が
アトピーやぜんそくを治して行くために、とても大切なのです。

                     (⇒「自律神経とアトピー」 をご覧ください。)

 代謝力の低下


代謝 って、聞いたことがると思います。

私たちが取りいれた栄養素を、
必要な形に体の中で再合成していくために変化させていくことです。

アレルギー性疾患の人の多くが、この代謝力が低下した状態にあります。

すると、

  • 皮膚が再生されません。
  • 鼻や気道の粘膜の再生も進みません。

ダニや花粉が侵入しやすくなり、
食べたものが未分解のまま腸から入りやすくなります。

代謝力が低下すると、アレルギーになりやすくなるのです。

代謝には、酵素・ビタミン・ミネラル が必要です。

特に
・ビタミンC
パントテン酸ビタミンB6 などのビタミンB群
・亜鉛、マグネシウム などのミネラル
  は、とても大切!!

食事の中で不足しないようにしましょう。

 第1に、食事の見直し、第2に、生活の見直し が大切です



アトピー・喘息・花粉症・鼻炎 の原因は、
Th2 の増大 、 腸内環境の悪化 、 ホルモンバランスのかたより、
過酸化脂質 、 自律神経のかたより、代謝力の低下
が、
アトピー・喘息・花粉症・アレルギー性鼻炎を体質化する7大原因です。

私たちが、まず、するべきことは
食事を徹底的に変え、
体質を改善することです。

とくに腸内環境を改善することは基本となります。

そして油・ビタミン・ミネラルには特に注意が必要です

このほかにも
ストレス、環境ホルモン (B細胞を増加させ、Th2へのかたよりをもたらす)、
大気汚染・残留農薬・水道水の塩素・食品添加物・有害化学物質、
鎮痛剤・抗生物質・ステロイド剤の影響、

など、さまざまな外的要因が重なってきます。

このなかでも
水道水の塩素、合成界面活性剤、ステロイド剤は、
アトピーをはじめとするアレルギー性疾患をもたらす外的な3大原因

これらに気を付け、除去し、体質を改善することで
アトピー・喘息・花粉症・鼻炎は必ず治ります!!


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